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日曜の夕方。
俺は、川原の草むらの上にあおむけになって、ボーッとオレンジ色の空を見ていた。
少し前の放課後、奈乃と結雨が話しているのを聞いてしまった。
奈乃が快のことを好きかもしれない……
そう俺が気づいたのは、いつだっただろう。
気づいても、気づかないフリをして過ごしてきた。
快は、元カノを……四葉を想っている。
それは、奈乃もわかっていた。
なによりも……俺が奈乃を手放したくなかった。
「こんなに写真あったんだな……」
俺はケータイに保存されている写真を見返していく。
奈乃とデートで行った場所や、誕生日のときの写真。
写真の中にいる俺たちの楽しそうな笑顔に、胸が締めつけられる。
一緒に過ごしてきた時間が、あまりに長くて。
奈乃が隣にいることがあたりまえになっていた。
写真の中、奈乃の笑顔。
この笑顔を見るためなら、なんだってできる気がした。
「琥都っ」
声が聞こえたと同時に、上から俺を覗きこんだのは奈乃だった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
