壁にもたれるあたしは目を閉じて、ふたりの会話を聞いていた。 「奈乃の気持ちは……前からなんとなく気づいてた」 琥都……気づいてたの……? 奈乃が快のことを好きかもって思いながら、いままで奈乃と付き合ってたの……? そんな……。 琥都の気持ちを考えたら、胸が張り裂けそうになる。 「おまえさ、つらくなかったの?」 「……奈乃と別れるほうがつらいって思ってたから」