「奈乃は、このまま琥都と付き合っていくつもりなんだよね……?」
あたしの腕の中で、奈乃は小さくうなずいた。
「わかった……。あたし、なにも聞かなかったことにする」
だって琥都は、奈乃のことが大好きで。
それに快は、いまも元カノのことを忘れられずにいる。
それに琥都と快は、中学の頃からの友達でもある。
もし奈乃が本当の気持ちを打ち明けたら、壊れてしまう。
琥都と奈乃の仲も。
琥都と快の友情も。
奈乃と快の関係も。
そして、あたしたち5人も……。
いままでのようには、いられなくなってしまうかもしれない。
奈乃が、このまま快への想いを消そうとしてるなら。
あたしは、それでいい。
なにも壊してほしくない。
あたしは、変わっていくことが怖かった。
大切なものを守りたかった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
