恋する僕らのひみつ。




ゆっくりと雲が流れるオレンジ色に染まった空の下、



グラウンドからは、野球部の威勢のいい声が聞こえてくる。



あたしは、グラウンドの隅でピッチングの練習をしている快の姿を見つけた。



「快、野球部に戻ることになってよかったね」



あたしの言葉に、奈乃はうれしそうに微笑んでうなずいた。



快に、なにがあったのかはわからない。



連休前までは、野球部には戻らないと頑なに意思を変えなかった。



快から聞かされた悲しい過去も。



快が野球部を辞めた理由も知った。



だけど、それでも諦めてほしくなかった。



泣いても笑っても、この夏が最後の大会になる。



快の夢を叶えるには最後のチャンスだった。



このまま諦めてほしくなかった。



本当は迷ってることも。



いまでも野球が好きだってことも。



快を見ていれば、わかった。



だから連休明けに、快が野球部に戻ると聞いたとき、



あたしはすごくうれしかったんだ。