「んで、結雨の将来の夢は?」 「え?それは……ヒミツ」 「はぁ?なんでだよ」 あたしの将来の夢なんて、ひとつしかない。 でも、いまこれを言ったら、絶対バカにされそう。 「隠されると余計気になんだろ」 「……湊のお嫁さん」 「バッカじゃねーの」 やっぱり、そう言うと思った。 素直に言った自分が恥ずかしいわ。 「おまえそれ、将来の夢っつーか、もう決定事項だから」 湊は後ろからあたしを抱きしめたまま、片方の手であたしの頬をキュッとつまむ。