「……快にこれ、渡そうと思って持ってきたの」 そう言って彼女は、カバンの中から四角い箱を取り出し、俺に渡した。 「なに……?」 「あとで見て?じゃ……行くね」 駅のホームにゆっくりと電車が停車して、ドアが開いた。 俺に背を向けて歩き出す四葉。 ……もう戻れないってわかってる。 頭では、わかったつもりでいる。 だけど……。 俺は後ろから四葉の腕をつかんで引き寄せ、 彼女をぎゅっと強く抱きしめた。