四葉が俺から離れていったのは、俺のためだった。
ケガのことで、俺がいつまでも苦しまないように。
夢をあきらめるしかない彼女を見て、俺が自分の夢をあきらめないように。
四葉はそう、いつだって。
いつだって、自分のことよりも。
「俺のことばっかり心配して……」
「だって、お母さんがそういう子になってほしいって、この名前つけてくれたんだもんっ」
知ってるよ。
付き合いはじめた頃、四葉がうれしそうに言っていた。
自分の名前は、四つ葉のクローバーからつけられたって。
四つ葉のクローバーはなかなか見つからないけど、見つけることができたら幸せになれるといわれている。
だから、四葉のお母さんにとって、四葉は宝物のような存在で。
四葉と出逢ったまわりの人たちも幸せになれますようにと。
そう願いを込めてつけた名前なんだって。
「快……このまま野球やめないで。あんなに大好きだった野球、やめないでよ……」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
