ゆっくりと動き出した電車を横目に、俺はホームを走っていく。
……いない。
――ドンッ。
「あっ、すいませんっ」
人にぶつかりながらも、四葉の姿を必死に探す。
……いない。
少しずつスピードをあげていく電車は、ホームから去っていった。
まだ……伝えたいことがあったのに。
四葉の顔を見て、言いたいことがあったのに。
もう、あのときと同じ思いはしたくなかったのに。
その場に立ち止まって、うつむいた俺は、
拳をぎゅっとにぎりしめる。
「……快」
後ろから声が聞こえて振り向くと、そこには
……四葉が立っていた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
