俺はふたりに、花火大会の日から今日までのことを話した。
『四葉の母親に言われたんだ。四葉……俺の前では無理しちゃうんだってさ』
本当は無理してずっと、笑ってたんだ。
『俺に弱いとこ見せたくなくて。ひとりになったとき、泣いてんだってさ』
四葉が人に弱い部分を見せたくなくても、せめて俺には。
俺にだけは見せてほしかった。頼ってほしかった。
いまどんな気持ちで、四葉はいるんだろう。
ひとりぼっちで泣いて……痛みに耐えてんのかな。
悲しいとか、寂しいとか、苦しいとか……誰にも言えずに泣いてんのかな。
だけど俺がそばにいたら、もっと無理しちゃうんだろ?
俺は、どうすればいい……?
『もしかして、快……おまえこのまま……』
『俺……野球やめる』
――この日、俺は野球部をやめた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
