恋する僕らのひみつ。





――快の過去を知った。



人は、楽しいから笑うんだって……そう思ってた。



快は、出逢った頃からいつも明るくて、笑顔が絶えない人だった。



だけど、いつも周りを楽しませてくれる快は、



彼女のことで、ずっと苦しんでいた。



自分を責め続けていた。



彼女のことが、いまも変わらず好きで。



忘れられなくて。



悲しみを癒すことができなくて……。



いつもそばにいたのに、どうして気づけなかったんだろう。



快がいつも笑顔でいた理由を。



笑ってないと、悲しみに押しつぶされてしまうから。



笑ってないと、苦しくて泣きそうになるから。



だから快は……。



いつも笑ってた。



それが快なんだ。



楽しいとき、うれしいとき、人は笑う。



だけど、まわりの人を心配させないために。



つらい気持ちや悲しみを隠すために。



本当の自分を隠すために。



笑っている人だって……いる。