2年生の最初の頃。 下校するとき、快とあたしは教室の前の廊下から話しながら下までおりて、昇降口の階段まで歩いて……。 『快は、好きな人いないの?』 何気なく質問したあたしの言葉に、 あのときの快は一瞬、いまの表情を見せた。 だけど、 あたしが瞬きをしたあとにはもう、 いつもの快の明るい笑顔が、そこにはあって。 『……いるよっ』 快は、そう大きな声で答えて微笑んでいたから。 だからあたしは、きっと。 べつに何でもないことだと。 それを見過ごして、今日まで忘れていたんだ。