快も琥都も黙りこんでしまったのを見て、奈乃が口を開く。
「野球部には二度と戻らないって……快があの日、奈乃たちに言ったから……。だから琥都は、快が毎日走ってることも知ってたけど、なにも言えなくて……」
そっか……奈乃も知ってたんだ。
快が野球部をやめたあとも、毎日ランニングだけは続けていたこと。
「快……本当は、野球部に戻りたいんじゃないの?」
あたしがきくと、快は顔をあげて小さく笑った。
「ちがうって」
あたし以外の3人も、同じことを感じていたと思う。
快の本当の気持ち。
いまもきっと、野球が好きで。
だから、やめたあとも毎日ランニングだけは続けてた。
本当は……野球部に戻ることを、迷ってるんじゃないかって。
戻りたいんじゃないかって。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
