「あたしのこと……追いかけてきたの……?」 「おまえ逃げ足だけはマジで速ぇな。次のオリンピック出れば?」 「こんなときによくそんなクソつまんない冗談言えるよね」 トンネルの外にいる湊は、大きなため息をつく。 「早く出てこいって」 抱えた膝に顔をうずめたあたしは、頭を横に振った。 「ったく。出てこねぇなら、俺がそっち行くしか……」 湊は四つん這いになって、トンネルの中に入ってくる。 「狭ぇーし、暗ぇし……」 湊はブツブツと文句を言いながら、あたしのほうにやってきて隣に座った。