「それは……嫌だけど……」
そうなんだよね。
もしも付き合ってることがバレたら、何かと警戒されそうな気がする。
一緒に暮らしてた間も、湊とあたしが付き合ってるなんて、
お母さんは夢にも思ってない感じだったし。
あたしたちのことは、仲のいい幼なじみくらいにしか思ってないみたい。
だからこうして部屋を行き来していても、何も言われないんだよね。
「湊……」
ベッドの上で、あたしは湊に押し倒されたまま動けずにいる。
こんなに近くで見つめ合ってたら、あたしの心臓が壊れちゃうから。
「どいてよ」
「やだ」
……ま、負けた。
そんな真剣な顔で言うの、ずるいよ。
湊のことをかわいいと思ってしまったあたしに、もう抵抗なんてできない。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
