“では、見事1位に選ばれた朝霧くんと一色さん、表彰式を行いますので壇上に上がってきてくださーい”
ウソでしょ?
今年もあれやるんかい。
表彰式とかいって、あんなのただの、さらしもの。
「湊……うちら呼ばれてるよ?」
「ほっとけ」
湊は心底あきれたように言った。
“体育館には、いないみたいですね。校内のどこかで片付けしてるんですかね?ふたりを見つけた生徒は、声かけてあげてくださいねー”
せっかく湊といい雰囲気だったのに。
やっと、ふたりっきりになれたのに。
あたしは、湊の体から離れる。
「ここにいれば見つかんねぇよ」
「でも……行かないとまずくない?」
あたしが立ち上がると、湊はあたしの腕をぎゅっと掴んだ。
「行くなよ」
湊はあたしの瞳を、下からジッと見つめる。
「おまえと離れたくない」
そんなこと言われたら、心臓止まるんですけど……。
「あたしも一緒にいたいけど……」
「じゃあ、いいじゃん」
湊は、あたしの腕を掴んだまま、その場にもう一度あたしを座らせた。
チラッと湊を見ると、
湊と視線がぶつかり、恥ずかしくなって目を伏せる。
あたしの前髪をよける、湊の指がくすぐったい。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
