「ち、ちがうよ。あたしは、湊に可愛いって思ってもらいたくて……」
「だったら、俺の前でだけ可愛くいればいいじゃん」
もしかして、拗ねてるの……かな。
可愛くてたまらないんですけど。
「心配なんだよ。おまえが他の男といると」
湊は、顔を背けて言った。
「おまえが他の男に触れられるとか、耐えらんねぇんだよ」
あたしも……。
湊が他校の女の子たちに話しかけられてるだけで嫌だった。
「あたしもね、湊と同じ気持ちだった」
すごく、嫌だったよ。
「女の子たちに話しかけられてる湊をみて、今日ずっと、ヤキモチやいてたの」
好きになればなるほど、わがままになる。
好きな気持ちが大きくなるほど、
愛しくて仕方がなかった。
「俺は、おまえしか見てねぇよ」
湊はあたしの瞳をまっすぐに見つめる。
「おまえだけだから」
湊はあたしの背中に手をまわし、あたしを優しくそっと抱き締めた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
