「それよりおまえ、なに他の男の前でヘラヘラしてんだよ」
そう言って不機嫌な表情を見せる湊は、あたしの頬から手を離した。
「別にヘラヘラなんてしてないよ」
「さっき俺がいかなかったら……」
「湊だって、他校の女子からいっぱい話しかけられてたくせに」
あたしは頬を膨らませて、ジッと目を細めて睨む。
「俺はおまえとちがって、曖昧な態度とらねぇし」
「あたしのどこが曖昧な態度なのよ?」
確かにグイグイ来られて、ちょっと困ったけどさ。
あたしだって、今日ずっと。
女の子たちに騒がれてる湊を、そばで見てるの、つらかったんだからね。
ヤキモチ……たくさん、やいたんだからね。
「だいたいおまえさ……文化祭だからって、やけに見た目気合い入ってね?」
そんな言い方しなくてもいいじゃん。
あたしは……。
湊にドキドキしてもらいたくて、頑張ったのに。
「おまえ……それ以上、可愛くなってどーすんの?」
「え……?」
「他の男にモテたいわけ?」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
