ニヤニヤしながらあたしを見る彼らは、見た目からして、チャラそうな人たちだった。
「浴衣、可愛いね」
そう言って、左側にいる男子がグッと顔を近づけてくる。
「あはは……それは、どうも」
咄嗟の愛想笑いで、顔がひきつる。
「今度さぁ、俺たちの高校の文化祭来てよ」
そう言って、右側にいた男があたしの肩に手を置いて、ニヤッと笑った。
「文化祭……ですか」
「名前なんつーの?連絡先、教えてよ」
「いや、あのぉ……」
「このあと、なんか予定ある?俺らと遊びいこーよ」
「あの、あたし……」
“彼氏いるんで”って、そう言おうとした瞬間、
後ろから誰かに腕を掴まれ、勢いよく引っぱられた。
そのまま抱き締められて、あたしの顔は胸元にぶつかる。
この匂い、この感触。
上を向くと、やっぱり湊だった。
「馴れ馴れしいんだよ。こいつ、俺のなんだけど」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
