「湊くんが騒がれるのは、もぉしょうがないよ。結雨ちゃん」
湊がモテるのは昔からだけど、いざ彼女という立場になると、やっぱり嫌な気持ちになっちゃう。
彼女になったからって、
湊をひとりじめしたいなんて思うのは、わがままなのかな。
「連絡先教えて欲しいとか、写真一緒に撮って欲しいとか、朝から言われまくってたしさぁ」
「でも湊くんらしく、バッサリと断ってたじゃない?」
「でも隠し撮りされてたもん……」
口を尖らせて落ち込むあたしに、奈乃はニコッと微笑む。
「湊くんは結雨ちゃんのことしか見てないから、そんなに心配することないと思うよ?」
「でもね、あ~モヤモヤするっ」
頭ではわかっていても、心が思い通りにならない。
好きになればなるほど、苦しくなってく。
自分がもどかしい。
他の女の子がどうしようと、湊だけを信じていればいいのに。
湊を好きっていう気持ちだけ、大事にすればいいのに。
恋心って、なんでこんな複雑なの?
「あ~やだっ!もぉ、やだっ」
「ふふっ。結雨ちゃんのそういう正直なところ、可愛いくて好きだよ?」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
