恋する僕らのひみつ。




あの頃は、ひとりぼっちだったかもしれない。



でもいまは、



あたしたちがいること、忘れないで。



忘れないで……奈乃。



あたしの隣に座っている湊が、遠くを見つめたままつぶやく。



「つらい過去があると臆病になる気持ち、俺もわからなくねぇよ」



湊……もしかして、お母さんのこと思い出して……。



「けどな、もしまたあいつらと会ったとしても堂々としてろ。おまえは何も悪くねぇんだから」



「……っ……湊くん……」



「怖がんな。俺たちがついてっから」



湊の言葉に、奈乃は泣きながら何度もうなずく。



「それと、俺の経験上……」



湊は、奈乃のほうに顔を向ける。



「心の傷は、いつか治るから。心配すんな」



湊……。

お母さんのこと、もう平気なの……?



「時間はかかっても、そばにいてくれるヤツが必ず癒してくれる」



あたしを見る湊の柔らかな眼差しに、胸がいっぱいになった。