恋する僕らのひみつ。




「あの頃のこと、忘れたいのに……もぉ全部忘れたい……っ」



うつむく奈乃は、両手で顔を覆う。



「もう二度と会いたくない人たちなのに、どうして会っちゃうのかな……」



あの人たちに会っただけで、



奈乃はこの場所に来てしまうくらい、心に深い傷を負っていた。



当時、どれほど奈乃が酷いいじめに遭っていたのか。



想像するだけでも、つらくて。



胸が引き裂かれるような想いだった。



「どうして、ひとりで耐えてたの?誰も助けてくれなかったの?」



あたしが奈乃の横顔を見つめながら訊くと、



奈乃は悲しげな瞳で遠くを見つめたまま、小さくうなずいた。



「いじめられてる子を助けたら、今度は自分がいじめられるって……周りはみんなそう思ってたはず」



奈乃は、細い声を震わせる。



「学校で信じられる人なんて、ひとりもいなかった」