結雨を抱き締めながら眠っていると、
枕もとに置いてあるケータイが振動していることに気づく。
「ねぇ、湊のケータイ鳴ってるよ?」
「こんな夜中に誰だよ……」
俺は寝ぼけながら電話に出た。
「はい?」
“湊?悪い、寝てたよな”
電話の声は琥都だった。
“先に結雨のケータイにかけたんだけど出なくて”
「結雨なら横にいるけど、どーかしたのか?」
ケータイを耳にあてたまま、俺は結雨と目を合わせる。
“もしかして奈乃と一緒にいるんじゃないかと思って”
「奈乃と?いねぇけど……なんで奈乃?」
寝ぼけていた俺は、琥都の次の言葉で一気に目が覚める。
“奈乃がいなくなったんだ”
「え……?」
奈乃が……いなくなった……?
“奈乃の母親から連絡あって”
「琥都……いまおまえ、どこにいんの?」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
