恋する僕らのひみつ。



「ごめんね。具合悪くなっちゃったから、今日は先に帰ってもいい?」



そう小さな声で言った奈乃の手を、琥都はシッカリと握りしめていた。



「大丈夫?奈乃……」



「うん、平気。ごめんね、結雨ちゃん」



「あたしも帰るっ。お母さんに頼まれてた用事思い出したからさっ」



結雨が奈乃のために嘘をついたことは、すぐにわかった。



「そーだな。今日はもう帰ろーぜ」



俺が明るく言うと、奈乃はもう一度「ごめんね」とみんなに謝った。



カラオケ店をあとにした俺たちは、途中の道でそれぞれ別れた。



ふたりきりになった俺と結雨は、歩道を並んで歩いていく。



「奈乃……大丈夫かな?」



結雨は心配そうな表情でつぶやく。



「すぐ元気になるだろ」



「だといいけど……」



奈乃のことは、琥都が送っていった。



「琥都もいるし、そんな心配すんなよ」



「でも……」



俺は結雨の手を握りしめる。



「おまえまで元気なくなって、どーすんだよ」