俺たちの知らない琥都の中学時代。
快から聞かされる過去の話に、俺は自分の耳を疑った。
「中学の頃、琥都は不良どもとケンカばっかりでさ……」
「「あの琥都が!?」」
驚く結雨と俺は、声までそろってしまう。
「ウソでしょ?だって琥都はいつも優しくて、大人で……」
結雨の言うとおりだ。
普段の琥都からは、ケンカなんてするような人間にはとても思えない。
「ウソじゃないよ。アイツ、ケンカめちゃくちゃ強かったから」
だけど、確かにこの目で見た。
さっきの琥都は、俺の知ってる琥都とはまるで別人だった。
口調も顔つきも。
自分のメガネを踏みつけて割り、壁まで殴った。
「結雨たちの中学とは離れてるから知らないだろうけど、あの頃の琥都は、俺らの周りじゃ悪くて有名だったから」
「さっきの人、琥都の顔見た瞬間に脅えてたよね。昔の琥都を知ってる人かな」
結雨の言葉に、快は小さくうなずく。
「そうだろうな」
「琥都がそんなに怖い人だったなんて……信じられないよ……」
「アイツはさ、奈乃と出逢ってから変わったんだ」
知らなかった琥都の過去。
「奈乃と付き合ってなかったら、琥都はいまも昔のままだったかも」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
