恋する僕らのひみつ。




言葉では表せないくらい

うれしくて、幸せで。



涙が止まらなかった。



湊はあたしの背中に手を回し、優しくあたしを抱き締める。



「湊……好きだよ」



「ん」



「大好きだよ?」



「何回も言うな」



「ダメ?」



「……照れる」



湊もドキドキしてくれてるの……?



あたしと同じくらい、ドキドキしてるのかな。



湊の背中に腕を回して、ぎゅっと抱き締める。



湊の胸元に耳をあてて、あたしは瞳を閉じた。



ドクン、ドクン……て、速くて大きな心臓の音が聞こえてくる。



「聞いてんじゃねーよ」



湊はあたしの体を離して、目を細めた。



「ふふっ、バレた?」



湊は両手であたしの頬を包み込んで、少し上に持ち上げた。



湊の顔が近づいてきて、あたしは瞳を閉じる。



もう一度、キス……?



キスされると思ったのに。



……あれ?



「もぉ!いじわるっ」



瞳を開けると、湊は唇が触れそうな手前で止めていた。



キスする寸前で止められて、あたしの顔は一気に熱くなる。



「ファーストキス奪っといて、今度はいじわるするなんて……」



「おまえって、ホントからかいがいあるよな」



「ひどっ……」



怒ろうとしたのに。



湊はあたしの左頬にキスをしたあと、あたしの左耳にもキスをする。



「やめっ……くすぐったいってば……」



「やめるわけねぇじゃん」



胸が、ぎゅってなる。



「結雨」



いつもよりもずっと優しい、湊の声。



キスで触れられるたび、体中が熱くなる。



胸の中は、好きの気持ちで溢れて。



愛しくて。



愛しすぎて。



もっと近づきたい。