ズキッと胸が痛んだ。
わかってたことなのに、湊の言葉にショックを隠しきれない。
湊の背中に抱きついていたあたしは、ゆっくりと湊の体を離した。
涙が止まらなくて、下を向いたまま顔を上げることができない。
聞かなかったことにするって……あたしとの関係を壊したくないから?
幼なじみのままでいたい、それが湊の答えってことだよね?
あたし……湊に嫌われずに済んだのかな。
でも、あたしたちの距離は、いままでよりももっと遠くなった気がする。
「勇気出して告白したんだから……ちゃんと振ってよ……」
腕で何度拭っても、涙が溢れてくる。
「聞かなかったことにするんじゃなくて、ちゃんと答えてよ」
泣きながら顔を上げると、湊はあたしのほうを向いた。
「湊……あたしは……」
その瞬間、
湊はあたしの頭の後ろに手を回し、自分のほうに引き寄せる。
「んっ……」
え……?
あたしは大きく目を見開いた。
いま、あたし……あたし……。
湊と……キスしてるの……?


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
