恋する僕らのひみつ。



――――――――……



放課後、誰もいなくなった教室。



日直のあたしは、ひとり教室に残って学級日誌を書き終えたところだった。



「よし、あとは黒板消して終わりっと」



カバンの中に筆記用具をしまい、あたしは席を立ち上がる。



「あっつ~」



開けっぱなしの窓からは生温い風が入ってきて、もわっとした蒸し暑さに夏が近づいてきているのを感じさせた。



胸元を掴んでブラウスをパタパタと動かしながら黒板を消していると、



教室の後ろのドアが開いた音が聞こえて、あたしは振り返る。



「一色」



あたしを名字で呼んだのは、1年のときに同じクラスだった男の子。



「あれ?にっくん!」



両耳にピアスをしているダンス部のにっくんは、くしゃっと崩した可愛い笑顔をする金髪の男の子。



にっくんとは、1年のときに隣の席になったこともあった。



当時はよく話をするクラスメートのひとりだったけど、



2年になってクラスが離れてからは、話す機会が自然と少なくなっていた。



「どしたの?話すのなんか久しぶりだねっ」



「クラス離れちゃったもんなぁ」



「そぉだね」