恋する僕らのひみつ。




「ねぇ、重たいんだけど」



本当は、うれしいはずなのに。



つい心とは裏腹に、冷たい言葉を口にしてしまう。



湊に下から見つめられると、いっそう胸がドキドキして。



「どいてよ」



恥ずかしくて少し顔を背けたあたしに、湊はいつもの調子で言った。



「やって」



湊はいつのまにか手に耳かきを持っていて、あたしに渡してくる。



「優しく丁寧にな」



「……何様なの?もう」



いままでは、これくらい何ともなかったのに。



湊を好きだと自覚してからは、湊の行動にいちいちドキドキしてしまう自分がいる。



自分の気持ちを隠して。

笑って、何ともないフリをして。



そうやって過ごすのは、思った以上に大変だった。



湊はあたしの膝に頭を乗せたまま、テレビに夢中で。



あたしは湊の耳かきをしながら、その横顔を見つめる。



こんなに近くにいても、遠く感じて。



ダメだとわかっていても、もっと近づきたい。



触れたくて。ぎゅって抱きつきたくて。



胸の中は、湊への想いで溢れていた。



言えない……好き。



このままずっと、言えない。



切ない片想いは、これからもずっと続いてく。






――そして、この次の日。



一生忘れることのできない日が訪れようとしていた。