俺が結雨を好きだとか、そんなわけねぇだろ。
こいつらがそう思いこむほど、俺の彼氏のフリがうますぎたのか。
「俺は女なんて……」
言いかけた途中で、快が大きな声で遮った。
「はい出た~。女なんて嫌い?じゃあさ、奈乃ことも嫌いなわけ?」
「奈乃?奈乃は琥都の彼女だろ?いいやつだと思う」
「じゃあ結雨は?」
快はジッと俺の目を見て、俺の答えを待った。
「結雨は……幼なじみ」
「結雨は女として見てないってことか?」
琥都の言葉に、俺は肯定も否定もできずに黙り込む。
そんな俺の様子を見て、琥都はあきれたような表情を見せた。
「……ったく。ホントは結雨のこと、誰よりも大切に想ってるくせに」
「想ってるくせに~」
琥都の言葉に続いて、快はニヤニヤしながら俺の肩をグーで軽く殴った。
「……約束したから、昔」
俺は目を伏せてつぶやく。
「あの約束を守ることくらいしか、俺にできることはなかったから」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
