恋する僕らのひみつ。



湊は、部活が終わってそのままうちに来たらしい。



荷物も何も持ってきてない。



そりゃそうか。



何か必要なものがあれば、隣にある自分の家に取りにいけばいいんだから。



『湊……約束して?』



『あ?』



『あたしたちが一緒に住むこと、二階堂先輩にはぜーったい言わないでね?』



『あぁ』



『てか、誰にも言わないでよ?』



『言わねぇよ。言ったところで俺に何の得があんだよ』



湊はケータイを床に放って、立ち上がる。



『どこ行くの?』



『うるせーなー。シャワー浴びんだよ』



あたしをその場に残したまま、湊は部屋を出ていった。



『アイツはホント……何様なのよ……』



あたしはため息をこぼしながら、つぶやいた。