しばらくすると、結雨がおかゆを作って部屋に戻ってきた。
「湊~?できたよ~?」
「……そのへん置いといて」
結雨は俺のそばに座り、おかゆとフルーツの皿を乗せたおぼんを床に置いた。
「ほら、起きて?」
無視していると、結雨は俺の体を無理やり起こす。
布団の上に座った俺の前で、結雨はスプーンでおかゆをすくい、フーフーと息を吹きかける。
「はい、口開けて?」
結雨は俺の口元にスプーンを近づける。
「いい。自分で食う」
「ホント可愛げがないよね」
「うるせーな」
「ほら、早く口開けてよっ」
「やだ」
ため息をついた結雨は、あきれたように俺を見る。
「病気の時くらい、素直に言うこと聞いてよ」
「……ったく」
俺が嫌々口を開けると、おかゆを口に入れられた。
結雨は満足そうに、ニコッと笑う。
「おいし?」
「おかゆ食ってうまいと思ったこと、人生で一度もない」
「はいはい、そーですか。ホント可愛くないんだから」
結雨はブツブツ文句を言いながら、おかゆとフルーツを俺に食べさせてくれた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
