想いは目に見えないから。



だからこそ、ほんのちょっとしたことで簡単にすれ違ってしまうのかもしれない。



それだけ難しいことなんだと、改めて気づく。



自分と、好きな人が、



いまこの瞬間、同じ気持ちでいるなんて……。



「湊くんは、結雨ちゃんを守りたかったんだよ」



湊が毎朝早くに学校へ行ってたのは、犯人を捕まえるためだった。



朝苦手なくせに。



あたしのために、そんなことしてたなんて……全然知らなかった。



ずるいよ。本当にずるい。



あたしにはヒミツにして、かっこつけちゃって……。



あたしがいまどんな気持ちでいるか、わかってる?



胸がぎゅって……湊のこと好きすぎて苦しい。