ドアが開いたままの湊がいる部屋。
「湊?」
「……ん?」
湊は床に座り、ケータイをいじっていた。
あたしは湊と向かい合って座る。
『湊はいつから聞いてたの?うちで暮らすこと』
『んー、2週間くらい前?』
『えっ!?そんな前から知ってたの?なんで教えてくんなかったのよっ』
『あー、おばさんから聞いてるかと思って』
聞いたの今日なんですけど……。
『湊は平気なの?』
『なにが?』
『うちで一緒に暮らすことよ』
『だって俺、料理とかなんもできねぇもん。世話になったほうがラク』
うそでしょ……?全然気にしてないじゃん。
むしろ自分の損得しか考えてないじゃん。
あたしは大きなため息をついて、肩を落とした。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
