2階に上がると、部屋のドアが少し開いている部屋があった。
あたしの足音が聞こえたのだろう。
「結雨?」
その部屋の中から二階堂先輩の声が聞こえた。
開いているドアの隙間から部屋の中をのぞくと、ベッドの上に横たわっている二階堂先輩がいた。
「大丈夫ですか?」
あたしは部屋の中に入り、ベッドのそばに立った。
「結雨……来てくれてありがと」
「いえ……。何か欲しいものがあれば、あたし買ってきます。遠慮なく言ってください」
起き上がった先輩はベッドに座ったまま、そばに立っていたあたしの手をそっと掴んだ。
「結雨、ここ座って」
あたしは先輩に言われるがまま、ベッドの端にちょこんと座る。
「熱あるのに、病院に行かなくて平気ですか?」
あたしが聞くと、先輩はあたしの手を取り、自分のおでこへと持っていく。
え……?
「熱……ないみたいですけど……」
おでこから手を離した瞬間、
先輩は座ったまま、あたしの体を抱き寄せ、強くぎゅっと抱き締めた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
