――それから数日後。
その日は部活が休みで、学校から帰ってきた夕方、家に結雨とふたりきりでいた。
リビングのソファに座ってテレビを見ている俺と、隣でさっきからケータイをジッと眺めている結雨。
またいつものように、ケータイ小説でも読んでいるんだろう。
そのとき、結雨のケータイが鳴る。
「出ねぇの?」
結雨は無言でジッと俺の顔を見る。
「誰から?二階堂?」
「うん。さっきから何回か着信あって。急用かな?」
「おまえに急用なんてねぇだろ。出んな」
「うん……」
「それとも俺が出てやろーか?」
「いいっ。大丈夫」
着信が鳴り止むと、結雨はまたケータイ小説の続きを読み始めた。
二階堂が本気になり始めてることを、結雨が知ったら……。
結雨は復讐を終わりにするんだろうか。
結雨の復讐のゴールは、
“二階堂を本気にさせて、こっぴどく振ってやること”だと言っていたけど。
あれはきっと強がりで。
いまでもきっと、結雨はアイツを……。
「ねぇ、湊」
「ん?」
「いま二階堂先輩からメール来て、先輩……熱があって具合悪いんだって」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
