「何してんだ?」
俺の言葉に肩をビクッとさせた生徒は、手に持っていた物を床に落とした。
――カチャン。
床に落ちたのは、ハサミだった。
俺は、背を向けたままの生徒の左肩をつかみ、俺のほうに体をむけさせる。
ハサミを持っていた手じゃない、もう片方の手にはハサミで切り刻まれた上履き。
それは、結雨の上履きだった。
……やっぱり、思ったとおりだった。
快の証言……あの日、見たかもしれないという人物。
保健室の名前の記録も。
「……先輩だったんすね。いままでのも全部、先輩が……」
怒りで震える俺の声。
――犯人は、来瞳深珠だった。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
