「……つけなくていーから」
「なんでよ。暗い中でマンガ探せる?」
「寝てろ、おまえは」
掴まれた手首をグイッと引っ張られ、あたしはベッドの上に座らされた。
「早く横んなれ」
「もぉ~なんなの?人がせっかく親切に……」
ブツブツ文句を言いながら、あたしはベッドに横になった。
湊は本棚からマンガを適当に1冊だけ手に取り、
床の上に座った湊はベッドを背にもたれて、マンガのページをめくり始めた。
「なに?ここで読むの?」
「俺の勝手だろ」
いやいや、ここあたしの部屋なんですけど。
「だから電気つけなって。暗くて文字も絵も見えないでしょーが」
「あ?見えるし」
「どんな瞳してんの!?」
あたしは寝っ転がったまま、ベッドの横にある小さなライトの灯りをつけてあげた。
「読み終わったらライト消してから出ていってね?」
「んー」
「あたし寝るからね?」
「んー」
あたしは横になったまま、湊の頭の後ろを見つめる。
さっきまでは……怖いこと思い出して全然眠れそうになかったのに……。
不思議。
湊がいてくれるおかげなのかな。安心する。
瞳を閉じても、怖くなかった。
まばたきを繰り返しているうちに、だんだんウトウトしてきて、あたしはいつのまにか眠りについた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
