ふたりの後ろ姿を見つめて立ちつくしていると、二階堂先輩が振り返ってあたしのほうを見た。 今度は視線を逸らさずに、二階堂先輩を見つめる。 先輩は柔らかな表情で、あたしの名前を呼んだ。 「結雨っ」 あたしの名前を いまもそうやって先輩は 優しい声で呼ぶ。 付き合ってるとき 先輩に名前を呼ばれるたびに 胸の奥が温かくなって うれしかった。 だけど、いまはもう…… 名前を呼ばれるだけで苦しくなる。 「バイバイ」 そう言って先輩は、あたしに微笑んで手を振ったあと、 あの人と一緒に帰っていった。