「あたしもう大丈夫だから。みんなはボーリング行って来ていいよ?」
あたしの言葉に、快は「バーカ」と言って、あたしのおでこに軽くデコピンをした。
「結雨ちゃんと一緒にいるよ」
奈乃の言葉に、快も琥都も笑顔で大きくうなずく。
「ホントにいいの?ごめんね、ありがと……」
奈乃は、座っているあたしを包み込むように抱き締めた。
「あ、どーせなら湊が部活終わるまで待ってよーぜっ?」
そう言って快は、自分の机の中からトランプを取り出してきた。
実は、今日の4時間目の授業が急きょ自習になって、
湊も含めたこの5人で、教室で1時間トランプをして遊んでいた。
「大富豪の続きでもやる?」
快の言葉に、あたしは笑顔でうなずく。
「ふふっ。うんっ」
快と琥都はそばにある机を動かして、机同士をくっつけていく。
ありがと……本当に。
「みんながいてくれて、本当によかった」
あたしがつぶやくと、3人は微笑んだ。
……本当は怖い。
どうしてラクガキされたのか。水をかけられなきゃいけないのか。
あたしの机に手紙を入れたのは誰なのか。
犯人もわからないし、本当はいまも。
怖くて、怖くて……どうしようもない。
だけど、負けない。
負けたくない。
人を傷つけても平気な人間になんか。
ぜったい負けたくないって、そう強く思った。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
