「わざわざ見に行ってくれたの?」
そうあたしが言うと、快は胸の前で腕を組み、口を尖らせる。
「犯人は逃げただろうけど、何か証拠でも残ってないかな~と思ってさ。でも何もなかった」
「ちょ、名探偵~」
あたしが冗談交じりに言うと、快はフッと笑みをこぼす。
「ふざけてる場合かよ」
「だって……いつもふざけてる快が真剣な顔してるから」
「ったく~。結雨のこと心配してんだぞ?」
「うん」
わかってる。
みんながいてくれて、心強いよ。
「このこと、くぼっちに言わなくていいのか?前のラクガキのことも言ってないだろ。俺いまから職員室に行ってこよっか」
そう言って快は、机の上からぴょんと飛び下りた。
「ううん、言わないで……。くぼっちが知ったら、お母さんにも連絡されちゃうし。お母さんには心配かけたくない……」
「結雨ちゃん……」
奈乃が、あたしの肩を優しく撫でた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
