教室に戻って、あたしはジャージに着替えた。
濡れた制服は、教室の窓の手すりに奈乃が干してくれた。
奈乃とふたりで教室のイスに座っていると、琥都が教室に戻ってくる。
「着替えたか?これ飲みな」
そう言って琥都が、自販機であたしのために缶ジュースを買ってきてくれた。
「ありがと、琥都」
「サイダーでよかった?」
「うん。いただきます」
あたしはゴクンと一口、ジュースを飲んだ。
ふうっと大きく息を吐き出すと、奈乃と琥都はあたしの顔を見つめる。
「少しは……落ちついたか?」
琥都の言葉に、あたしは微笑んでうなずく。
「あーくっそ。何も見つかんなかったぜ……」
そう言って、浮かない顔で快が教室に戻ってきた。
「どこに行ってたの?」
奈乃が快にたずねると、
快はあたしたちのところに歩いていきて、机の上にぴょんと飛び乗って座った。
「結雨がバケツを見たっていう、裏庭に面した校舎の2階」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
