「本当に誰がやったのか、わかんないの?」 奈乃の言葉に、あたしは小さくうなずく。 「……バケツしか見えなくて」 「前のラクガキといい、誰かに恨み買うようなことでもしたのかよ?」 快の問いに、あたしは首を小さく横に振る。 わかんない。わかんないよ……あたしだって……。 「結雨ちゃん、とりあえず教室に行ってジャージに着替えよ?ね?」 そう言った奈乃の瞳には、涙があふれていた。 「うん、ごめん……ありがと」 「結雨ちゃん……」 奈乃は声を震わせ、あたしの肩を抱き寄せた。