あたしは不満げにお母さんを見つめる。
『隣に住んでるんだし、わざわざうちで一緒に暮らさなくてもいいじゃん』
『何言ってるのよ、冷たい子ねぇ。湊くん、家事できないでしょ?』
……そうだった。
いままで家事全般、お父さんに任せっきりで暮らしてきた湊。
『だからって……。じゃあ、夕飯食べたら自分の家に帰ってもらえば?』
それがいい。
一緒に暮らさなくたって、方法はいくらでもあるじゃん!
『朝は学校行く前に、うちにご飯食べに来てもらえばよくない?そうすれば別に一緒に暮らさなくても……』
『結雨が、そんなに冷たい子だったなんて……』
お母さんは、呆れた様子でため息をついた。
『部屋だってあるんだから、一緒に暮らしたっていいじゃない。湊くんのこと小さい時から知ってるのに』
頭痛くなってきた。
うちのお母さん、正気なの?


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
