幼い頃から変わらない無邪気な湊の寝顔。



「んーっ……」



湊が、あおむけから横向きに寝相を変えた。



向きを変えた勢いで、湊の左手がペシッとあたしの体に当たる。



当たった手の感触で異変に気づいたのか、湊は目を覚ましたみたい。



ゆっくりと開く湊の瞼。



薄目でぼんやりとあたしの顔を見つめている。



「……うわぁっ」



湊は声を上げるとともに、目をパチッと大きく開けた。



あたしは口元の前で人差し指をたてる。



「し―――っ!お母さんが起きちゃうでしょ?」



あたしが小声で言うと、湊は大きなため息をついた。



「……なんだよ、結雨か。マジで幽霊かと思った」