中から聞こえてきた湊の声に、あたしの体はカーッと一気に熱くなる。
「ばばば、バッカじゃないの!?なんであたしが湊と一緒にお風呂に入んのよっ!?」
いきなりヘンなこと言わないでよ。
「はぁ?アホか。んなわけねぇだろ。俺が出たあと、おまえは入んのか聞いたんだけど」
あ……そうだよね。
もぉ~なに勘違いしてんの?あたし!
バカっ!あたしのバカっ!……めちゃくちゃ恥ずかしい。
「あたし入んないから、お風呂場ちゃんと片付けてから出てきてよ?」
「…………」
「てか、そんな優雅に入ってたら遅刻するよ?」
「…………」
シャワーの音しか聞こえない。
無視かい。ホントいい性格してんね。
とりあえず湊がお風呂から上がってくる前に、あたしは歯を磨こう。
洗面所の鏡の前で髪を整えたあたしは、自分の歯ブラシを取った。
歯磨き粉のついた歯ブラシを口に入れた瞬間、後ろの浴室のドアがいきなり開いた。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
