「え?琥都?」
俺が聞き返すと、ふたりはもう一度大きくうなずいた。
「琥都と一緒におまえらが教室出たのが最後か?」
「ううん。うちら先に教室出たから、琥都くんが最後だったと思うけど?」
音楽の授業の前、教室を最後に出たのは琥都だった。
でも、琥都が犯人なわけねぇよな……。
「湊くん、なんでそんなこと聞くの?」
「いや別に。さんきゅ」
俺が歩き出すと、ちょうど教室から出てきたクラスメートの男子に肩がぶつかった。
「あ、わりぃ!湊」
肩がぶつかったのに、相手はなぜか手で腹をさすっている。
「どした?」
「腹痛くてさぁ」
「うんこか?」
「声でけぇよ!じゃーな」
そいつは足早にトイレの方へ向かった。
……そういえば、思い出した。
音楽の授業中、トイレに行くって言って音楽室から抜け出したよな。
快のやつ。
トイレのわりには、ずいぶん時間経ってから戻ってきたけど。
あいつ、本当にトイレだったのかな。
仮にウソついて、トイレじゃなかったとしても。
まぁ……快が犯人なんてことはありえねぇよな。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
