2年3組の教室前の廊下で、クラスメートの女子ふたりが立ち話をしていた。
「あれ?湊くんだぁ」
俺は、女子ふたりの前に立つ。
「あのさ、聞きてぇことあんだけど」
「うん、どぉしたの?」
「音楽の授業の前、最後に教室出たやつって誰かわかる?」
「最後に教室出たのって……うちらだよ?休み時間ギリギリまで雑誌見てて」
「え?おまえら?」
ふたりはコクリとうなずく。
すると、ひとりの女子が何かを思い出したように胸の前で手をパンッと合わせた。
「あ、違ったわ。忘れ物したって言って戻ってきたよね?」
「あーそうだったね」
……忘れ物?教室に戻ってきた?
「誰が?」
「琥都くん」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
