「信じるも信じないも朝霧の自由だけど?」
そう言って二階堂は、謎めいた笑みを見せた。
「クラスには、それらしい犯人いないのか?」
「は?うちのクラス?」
「いじめって、クラスメートの割合がほとんどだからな」
うちのクラスで、結雨に恨みを持つ人間なんていんのか?
「カバン、部室に置いといて」
そう言って俺は、自分のカバンを二階堂に向かって放り投げる。
「先輩だぞ?俺は……って、朝霧っ。どこ行くんだ?」
「うっせーな、部活始まるまでには戻る」
俺は自分のクラス……2年3組の教室へと向かった。
二階堂が俺らの教室に来たときには、すでにラクガキされていたとしたら。
ラクガキされたのは、いつだ?
もし、仮にクラスメートが犯人だとしたら。
一体いつ?
音楽の授業が終わって、最初に教室に戻った人物が犯人か?
いや、次々とクラスメートたちが教室に戻ってくるのに、リスクが大きすぎるし、ラクガキする時間もねぇよな。
だったら……音楽の授業が始まる前か?
音楽の授業の前、俺はトイレに行ったあと教室に戻り、教科書などを持ってひとりで音楽室へと向かった。
あのとき、まだ黒板にも結雨の机にもラクガキはされていなかった。
教室にはまだ何人かのクラスメートが残っていた気がするけど、誰が残っていたのかはハッキリと覚えていない。
ラクガキされたのは、俺が教室を出たあとだ。


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
