「……どこのクズの仕業か知らねぇけど、くだらねぇことするよな。マジ腹立つ」
「ふふっ」
結雨は俺の腕に絡みついたまま、顔を背けて笑う。
「なに笑ってんだよ?」
傷ついたくせに。本当は泣きたいくせに。
俺の前で無理しなくてもいいのに。
「あたしのために、そんなにムキになってくれるなんて思わなかったから」
アホか、おまえは。
「……だって、ぜってぇおまえは悪くねぇもん」
結雨は下から俺の瞳をまっすぐに見つめる。
「なんで言い切れるの……?」
「……おまえだからな」
「どういう意味?」
「おまえがどんな人間かは、俺がいちばんわかってる」
結雨は俺の腕をそっと離すと、目を伏せて言った。
「湊……やっぱりあたし、湊のこと好きだわ」


![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)
