恋する僕らのひみつ。



結雨の視線を感じて俺が横を向くと、結雨は俺の顔をジッと見つめていた。



「んだよ?」



「いや……どの口が言うてるのかと思いまして」



「あ?」



「んふふ。だって毎晩あたしにマッサージさせてる人がよ?まさかねぇ。いじめについて語られるとは……ねぇ?」



結雨はニヤニヤしながら俺に顔を近づける。



「何が言いたいんだよ?俺はおまえのこといじめた覚えなんて1度もねぇけど」



「へぇ~。昔の記憶とか、ぜーんぶ吹っ飛んじゃったのかしらぁ?湊ちゃんはぁ」



そう言いながら結雨は、俺の両頬をつねって横に引っ張る。



「……オイ、コラ。人の顔で遊ぶな」



「ふふっ」



「やーめーろ」



俺は結雨の両手を掴んで、下に下ろした。



「べつに俺は、おまえの彼氏やめてもいーんだぞ」



「え!?」



結雨は大きく目を見開いた。



「いじめてるとか言われたくねぇし」



「あははぁ~。いまのウソ!ウソウソ、冗談よぉ~もぉ~。今晩も丁寧にマッサージさせてもらいますんで、よろしくお願いしますよぉ~」



そう言って結雨は、俺の腕に絡みついてニコッと笑った。



「ホント調子いーな」



目を細めた俺は、冷たく言い放つ。



すると、結雨は真面目な表情で静かに言った。



「……ありがとね、湊」



「あ?」



「あたしのこと思って、連れ出してくれたんでしょ?」